アトピー/小児科
2019/09/30
目次
多くのお子さんが悩んでいるアトピー性皮膚炎について知りましょう
皮膚の病気で、最も知られているものの一つが「アトピー性皮膚炎」です。
アトピー性皮膚炎で悩んでいるお子さんを見たことがある方も、多いのではないでしょうか?
アトピー性皮膚炎の症状は、小さなお子さんにとって耐えがたいものもあります。
そこで、アトピー性皮膚炎の原因や懸念される不安、対処法などをご紹介します。
アトピーとは?
アトピー皮膚炎とは、皮膚の炎症です。
赤い斑点が体の様々な場所にでき、痒みを伴うことから痒みに我慢できずに掻いてしまい、さらに悪化させてしまうケースもあります。
顔など目立つ部分にできた場合、精神的な影響も懸念される症状です。
アトピーの原因
アトピーの原因は一つだけではなく、いくつかの理由に分類できます。
遺伝的要因
いわゆる「体質」です。
生まれつき、セラミドや天然保湿因子が不足していることで、皮膚のバリア機能が正常に働かず、乾燥しやすくなります。
乾燥した肌は角質が剥がれ落ちやすく、隙間から様々なものが入り込みやすい状況となり、アレルギーや刺激物質が肌の隙間から入り込むことで、アトピーを引き起こします。
環境の問題
生活環境もアトピー性皮膚炎の原因の一つと考えられていますが、こちらはアレルギー的因子と非アレルギー的因子に分類できます。
アレルギー因子とはアレルギーに起因するもので、ダニやハウスダスト、花粉や食べ物に起因してアトピーが生じるものです。
一方の非アレルギー的因子は、接触抗原、発汗、ストレス等が考えられます。
小児のアトピー性皮膚炎の原因
小児の場合、成人と比べると皮膚が薄く、皮脂の分泌量も多いです。
また、角層の水分量も成人に比べて少ないことから、外的影響を受けやすいため、アレルギー等や環境因子により、アトピーが発症するケースがあります。
アトピーで懸念される問題
アトピーは症状そのものも大変ですが、アトピーを発症したことにより二次的に懸念されている症状があります。
痒みの継続
アトピーは、激しい痒みに襲われます。
痒みに負けて皮膚を掻いてしまったがために、「掻く」という行為が止められなくなるケースもあります。
痒みが消えないため、延々と掻き続けることで、さらなる皮膚のダメージにもつながっていきます。
外傷の悪化
痒みに我慢できずに掻いてしまうことで、皮膚の炎症を悪化させる懸念もあります。
また、外傷から細菌が入り込むことで、症状の悪化や新しい皮膚の症状に悩まされる可能性も出てきますし、アトピーそのものが潰れることで、見た目の印象を悪化させてしまう懸念もあります。
精神的な影響
アトピーは体の様々な部分に発生します。
衣服で隠せる部分に発症する人もいれば、顔や手の甲など衣服で隠しにくい目立つ部分に発症する可能性もあります。
その場合、常に一目に触れることになるので、精神的な影響も懸念されます。
アトピーを悪化させるもの
実は、アトピー性皮膚炎を悪化させるものもあることをご存知ですか?。
これらを覚えることは、アトピーと付き合っていくために必要なことでもあります。
肌に合わないもの
「肌に合わないもの」はアトピーを悪化させる懸念があります。
化粧品、アレルギー成分や食べ物などは、肌に刺激を与えてしまい、アトピーを悪化させる可能性があります。
入浴
熱すぎるお風呂やイオウ温泉もアトピーを悪化させる可能性があります。
お風呂は適温で、温泉に入浴する際には成分までチェックしておくとよいでしょう。
プールや海水もアトピー悪化させる可能性があります。
プールには塩素が含まれており、肌に刺激を与えることになります。
また、海水も塩分が含まれているので刺激になり、アトピーを悪化させる可能性もあります。
そのため、学校の授業や行事でプールや海水に入る際には注意が必要です。
空調環境
乾燥はもちろんですが、湿度が高すぎてもアトピーに負担を与えることになります。
乾燥に気をつけながらも、湿度が高くなりすぎる環境にも気を付ける必要があります。
精神的な影響
極度の緊張やストレスもアトピーを悪化させます。
心因的なものもまた、体に負担を与えます。
アトピーの場合、痒みや痛み、あるいは目立つといった理由でストレスを生じやすいため、悪循環になりやすいです。
アトピーの予防法・悪化の防止
アトピーを予防するためには、以下のような方法が考えられます。
病院でのアレルギーチェック
アトピーはアレルギーによって起こされるものです。
そして、人それぞれどのようなアレルギーを持っているのかは、自覚が難しいでしょう。
そこで病院でアレルギーチェックをすることにより、「何を回避したほうがよいのか」「どのようなものに気を付けたほうがよいのか」が分かります。
このアレルギーチェックは、自分だけでは判断できないものなので一度、医療機関で検査を受けてみるとよいでしょう。
肌の保湿に気を付ける
アトピー患者はセラミドや保湿成分が不足していることが確認されています。
そこで、常日頃から肌の保湿を心掛けることで、アトピーを未然に防いだり、悪化を防ぐことも可能です。
その際には体質に合ったものを使用するとよいでしょう。
保湿のためとはいえ、肌に合わないもので保湿を試みると、アトピーを悪化させてしまう可能性もあります。
「何が悪いのか」を理解する
アトピーは、悪化させてしまうこと、発生させてしまう因子がいくつか考えられています。
これらを理解しておくことで、アトピーの回避・悪化の防止につながります。
日常生活の中でもアトピーの因子は多々ありますので、正しい知識を持つことも大切です。
アトピーを発症してしまったら・・・
アトピーの治療法としては、以下のようなものが挙げられます。
スキンケア
肌の清潔と潤いを保つことも、アトピーの治療法です。
肌の炎症であるアトピーだからこそ、良い肌の状態へと導くこともアトピー治療の一種です。
薬物治療
薬の使用もアトピー治療になります。
医療機関を受診する
アトピーを発症した場合は、医療機関を受診し、適切な診療を受けることが一番です。
アトピーはアレルギーに起因している可能性もありますが、アレルギー因子も様々です。
人それぞれに合った治療を行うことが重要になります。
また、アトピーは皮膚の炎症だけではなく、掻いて外傷を作ってしまったり、心因的なものなど二次的なダメージもあります。
医療機関では治療だけでなく、日常生活における注意点などもお伝えします。