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胃腸炎/内科

胃腸炎の症状や原因は? 胃腸炎の予防や対策をご紹介します

急な発熱を伴う腹痛や下痢、吐き気などの原因として考えられるのが、胃腸炎です。

たとえば、テレビや新聞などの報道で、「ノロウイルス」という言葉を聞いたことがある方も多いでしょう。
ノロウイルスは、胃腸炎のなかでも「感染性胃腸炎」を引き起こすウイルスの一つです。

胃腸炎は成人だと重篤となるケースは少ないですが、年少あるいは高齢の方だと、命の危険にさらされることもあります。
そこで胃腸炎の原因や予防法、そしてどのように治療を進めればよいのか、ご説明します。

胃腸炎とは?

胃腸炎

胃腸炎とは、主に胃や小腸、大腸の粘膜組織に炎症が生じる病気です。


その原因の多くが、ウイルスや細菌、寄生虫による感染とされており、食べ物や飲み物、人から人、ペットから人への経路を介して感染します。


胃腸炎を引き起こすウイルスとしては、ノロウイルスやロタウイルスなどが挙げられます。


胃腸炎は、毎年11月ごろから増加し、12月中旬に流行のピークを迎える傾向があります。

通常、胃腸炎は腹痛や下痢といった症状がみられるものの、自然治癒で治る病気です。

しかし、乳幼児や高齢者、他の病気などで衰弱している人は合併症を引き起こして重篤化する可能性があります。
水質環境が悪い国などでは、胃腸炎が原因で小児が死亡している例も報告されています。

胃腸炎の症状

胃腸炎の症状

一般的な胃腸炎の症状としては、


  • 発熱を伴う腹痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 下痢(軽度なものから重度なものまで)
  • 食欲不振
  • 痙攣(けいれん)

といったものがあります。

健康的な成人が胃腸炎で重篤になることはなく、高熱と嘔吐のみといった場合もあります。
一方、乳幼児や高齢者、重い病気にかかって体が弱っている方は脱水症状や電解質平衡異常が起こり、命の危険にさらされる可能性もあります。

アメリカでは毎年約6人に1人が、ウイルスや細菌に汚染された食べ物や飲み物を摂取し、胃腸炎を発症しているという報告もあります。

胃腸炎の原因

胃腸炎の原因 最近 ウイルス

胃腸炎の主な原因は、細菌やウイルス、寄生虫です。


胃腸炎を引き起こす細菌、ウイルス、寄生虫には以下のようなものがあります。

細菌性 ウイルス性 寄生虫
  • 腸炎ビブリオ
  • 病原性大腸菌(O157)
  • サルモネラ
  • カンピロバクタ
  • ノロウイルス
  • ロタウイルス
  • SRSV
  • アメーバ
  • クリプトスポリジウム

細菌感染の特徴

胃腸炎 細菌感染の特徴

細菌で汚染された食べ物や飲み物を摂取することで、胃腸炎を発症します。


こうした食べ物や飲み物を摂取してすぐ、腹痛、吐き気、下痢などの症状がみられますが、2日から3日後には症状が軽減します。


ニュースなどでよく耳にする「O157」という細菌は、家畜(牛、豚)などの糞便や糞便で汚染された食べ物や飲み物を介して人の口に入り、感染症を引き起こします。


O157は他の細菌と比較して、感染力が非常に強いです。


多くの細菌は、100万個以上の菌が体内に入らなければ食中毒は起こりませんが、O157の場合はその1万分の1、わずか100個程度の菌が体内に入ると、発症します。

O157により引き起こされた胃腸炎は、最初は一般的な胃腸炎と症状があまり変わりません。
しかし発症後しばらくして重篤化する可能性があり、それによって死亡する例も確認されているので、注意してください。

O157に感染して起こる症状としては、頭痛や傾眠、幻覚が予兆として起こり、痙攣、昏睡が始まる等があります。

ウイルス感染の特徴

胃腸炎 ウイルス感染の特徴

胃腸炎の原因として、最も多いのがウイルス感染です。


代表的なウイルスとして、


  • ノロウイルス
  • ロタウイルス

の2種類があります。それぞれの特徴をご紹介します。

ノロウイルスとは

ノロウイルス感染症は、嘔吐や下痢などの症状があらわれます。
それらの症状は2日間から7日間続き、発症者のうち30%の人に39度以上の発熱がみられます。

ノロウイルスの感染経路は「経口感染」です。
厚生労働省の公式ホームページには、以下のような感染様式が紹介されています。

  • 患者のノロウイルスが大量に含まれるふん便や吐ぶつから人の手などを介して二次感染した場合
  • 家庭や共同生活施設などヒト同士の接触する機会が多いところでヒトからヒトへ飛沫感染等直接感染する場合
  • 食品取扱者(食品の製造等に従事する者、飲食店における調理従事者、家庭で調理を行う者などが含まれます。)が感染しており、その者を介して汚染した食品を食べた場合
  • 汚染されていた二枚貝を、生あるいは十分に加熱調理しないで食べた場合
  • ノロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合

また、狭い空間でノロウイルスが飛沫(ひまつ)感染したとの報告もあります。
これは結核や肺ペストのような空気感染ではなく、ほこりと一緒に散らばるような塵埃感染であると考えられています。

ロタウイルスとは

ロタウイルスもノロウイルスと同様、発熱をともなう嘔吐や下痢などの胃腸炎の症状があらわれ、この症状が5日間から7日間続くことがあります。

感染経路も、ノロウイルスと同じく「経口感染」です。
ロタウイルスはO157と同じように感染力が強く、10個から100個程度のウイルスが口から入ることで感染します。

ロタウイルスは、主に乳幼児(0歳から6歳ごろ)にかかりやすく、5歳までにはすべての子供がロタウイルスに感染するといわれています。

乳幼児が感染すると、発熱をともなう腹痛、下痢や吐き気、嘔吐など激しい症状があらわれます。
脱水症状がひどくなる場合には点滴や入院が必要になる場合があります。

一方、成人した大人はロタウイルスを何度も経験するため免疫が出来て、ほとんど症状は出ません。

胃腸炎の予防法

胃腸炎の予防法

胃腸炎に対しては、衛生管理をしっかりと行うことが予防法となります。


たとえば、トイレを利用した際は必ずしっかり手洗いを行うこと。石鹸で手や指を丁寧に洗うことが大切です。


また、家庭内や職場や学校などでの集団感染を予防するためにも、感染性の胃腸炎が流行する季節には、ドアノブなど触れる機会が多い場所の清掃や手洗いなどをしっかりと行いましょう。


ただ、これらの過程を経てもウイルスの感染力は強く、感染を完全に防ぐことは難しいといわれています。


日本国内では、ロタウイルスに効果がある2種類のワクチンの接種を受けることができます。
詳細は医療機関へご相談ください。

胃腸炎にかかってしまったら・・・

胃腸炎にかかった場合、一般的には寝て安静に過ごしながら、水分を十分に補給してください。
母乳を与えている小児については、そのまま授乳しても問題ありません。

さらに嘔吐や下痢、発熱などで脱水症状が見られたら、そのまま放置せず、すぐに医療機関を受診してください。

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