風邪/内科
2019/09/18
目次
風邪について知ることで予防につなげましょう
風邪は季節に関係なく、1年中かかる病気ですよね。
その風邪には、さまざまな症状があります。
主な症状は、喉の痛みやくしゃみ、鼻水、倦怠感など・・・。
そこで風邪の原因や症状、予防法などをご紹介します。
風邪とは?
風邪は、最も有名な病気の1つです。
「風邪」という名称は、広い意味で用いられることが多いですが、なかにはインフルエンザのような急性の発熱や倦怠感などの体調不良も風邪として認識する方が少なくありません。
「風邪」とは通称で、正式名称は「風邪症候群」といいます。
急性上気道感染症(急性上気道炎)と急性下気道感染症(急性気管支炎)を含む、上気道(鼻・のど)の急性炎症の総称です。
急性上気道感染症は、一般的に鼻腔(びこう)から咽頭までの部分に炎症がみられる、喉の痛みや鼻づまりといった一般的な風邪です。
急性下気道感染症は、風邪をひいて咳が出る場合です。こちらも急性上気道感染症と同じく、一般的な風邪です。
風邪の原因
風邪の主な原因は、ウィルスによるものです。
「風邪は、主に鼻や喉にウィルスを含んだ微生物が付着し、感染します。
この感染経路は、全体のうち90%を占めています。
あとは細菌やクラミジアといったウィルス以外の感染が原因となっています。
また、風邪のウィルスは200種類を超えており、どのウィルスが原因となっているのかを特定することは難しいものです。
そのウィルスも変異する可能性があり、一度感染したウィルスに対抗する免疫が出来たとしても、他の種類のウィルスや変異したウィルスに感染するため、繰り返し風邪をひくおそれがあります。
感染経路としては、風邪をひいている人のくしゃみや咳の飛沫(ひまつ)を介して、口や鼻からウィルスが侵入し、気道内に入って増殖することとされています。
風邪ウィルスには主に、ライノウィルスやアデノウィルス、ウィルスがあります。
ライノウィルスが原因の風邪は春と秋に多く、アデノウィルスが原因の風邪は冬から夏にかけて多くみられます。
風邪の症状
風邪は発熱の有無を問わず、
- 鼻症状
- 喉症状
- 咳症状
鼻症状(急性鼻副鼻腔炎)
発熱の有無を問わず、鼻水・くしゃみが主な症状である急性気道感染症です。
風邪をひいた時の鼻水は粘り気があり、黄色もしくは緑色に濁ります。また、喉のほうに不快な症状が続きます。
鼻の穴の粘膜が腫れると、副鼻腔がふさがり、圧迫されることで鼻づまりや頭痛が起こることもあります。
喉症状(急性咽頭炎)
喉の痛みが主な症状となる急性気道感染症です。
風邪をひいた時、口の中の扁桃(扁桃腺)やその周辺、口の突き当りが赤く腫れ、37度から38度ほどの熱が出ます。
声が枯れ、嚥下(えんげ)障害や嚥下痛を伴います。
咳症状(急性気管支炎)
発熱の有無を問わず、咳や淡が主症状となる急性気道感染症です。
冬場に発生することが多く、咳のほかに疲労感や悪寒、背中や腰の痛み、筋肉痛があらわれることもあります。
まず乾いた咳が出始め、咳と一緒に粘り気のある粘液が出ることもあります。
しばしば、この粘液の色が白色から緑色に変化しますが、これは炎症に関わっている細胞が、淡の色を変えているにすぎません。
そのため、感染症の原因となる細菌であると勘違いされることが少なくないのです。
咳は風邪のなかでも最も治りにくい症状です。
ウィルスが気管支内面の細胞を傷つけるため、回復まで時間がかかります。
完治までに2週間から3週間、またはそれ以上の期間が必要な場合もあります。
その他にみられる症状
風邪をひくと鼻や喉、咳のほか、全身に症状がみられることがあります。
たとえば、“お腹の風邪”と呼ばれるウィルス性胃腸炎に感染すると、軟便または水様便が1日に3回以上増え、嘔吐症状がみられます。
そのほか、手足口病など「夏風邪」とよばれる感染症で口内炎が起きます。
また、全身の倦怠感や筋肉痛など症状が強い場合は、風邪ではなくインフルエンザの可能性もあります。
風邪の予防法
風邪の感染経路には、咳やくしゃみによる飛沫感染や、ウィルスがついたものに触れた手や指を洗わずに、その手で自分の鼻や口を触って感染する接触感染があります。
この風邪を引き起こすウィルスは、前述のとおり種類が多く、さらに変化していきます。
そのため、風邪に対抗できる効果的なワクチンが開発されていないので、自分自身で以下のような衛生管理を徹底することが一番の予防法です。
- 風邪の症状が出た本人や家族や同僚など、周囲の人も手洗い、うがいを頻繁に行う
- パートナーや家族と同じ部屋で寝ていて、その人が風邪をひいた場合は別の部屋で寝るようにする
- 室内でよく手で触れるものをアルコールティッシュなどで拭く
- 偏食を避けてバランスの良い栄養をとり、定期的な運動や睡眠時間を確保し、風邪に負けない体力をつける
ちなみに、ビタミンCの大量の摂取などは、風邪の予防効果はないとされています。
風邪をひいてしまったら・・・
風邪の治療法としては、まず各症状に効く風邪薬を飲み、その症状を和らげて身体が回復するのを待ちます。
ただし、「風邪は万病のもと」という言葉もあるように、風邪の症状後に気を付けなければいけないのは、合併症です。
身体の抵抗力が弱いと、ウィルスが身体に侵入しやすく、すぐに増殖し、肺炎や髄膜炎など重い病気を発症することがあります。
そこで、「風邪だから」と症状を甘く見ずに、医療機関を受診してください。
特に風邪は、ひき始めと治りかけが大切です。
風邪の症状がおさまり、回復したからといって無理することは控えましょう。