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せき喘息/内科

喘息とは何が違う? せき喘息の症状・予防法

風邪を引いた際に、「咳が治まらない」という患者さんは多いのですが、咳の原因は様々です。

「風邪の症状は治まったけど、咳だけが長引く」という場合は、「せき喘息」が疑われます。

そこで、せき喘息の基礎知識や喘息との違い、原因や症状、予防法などをご紹介します。

せき喘息とは?

せき喘息

発熱や痰など風邪の症状が治まったにも関わらず、咳だけが治らないという状態が8週間続いた場合は、せき喘息の可能性があります。


せき喘息は、症状がひどい場合には、数カ月にわたり慢性的に咳が続く気管支の病気です。


通常の喘息(気管支喘息)と異なるのは、喘鳴(ぜんめい/ゼーゼー、ヒューヒューいうこと)や呼吸困難はなく、呼吸機能が正常であるという点です。


せき喘息と気管支喘息は別の病気として扱われています。


最近のせき喘息の患者さんは、およそ三分の一が気管支喘息に移行しています。

せき喘息の症状

せき喘息の症状

せき喘息にかかると、乾いた咳(空咳:からぜき)が一カ月以上続きます。


ひどい場合は、咳が1年以上続くこともあります。


咳が出やすいのは深夜から早朝にかけての時間帯ではありますが、日中にも咳は出ます。


特に寒暖差、運動時などいろいろな刺激に対して気道粘膜が過敏になり、炎症や咳の発作が起こります。

最近のせき喘息の患者さんは、およそ三分の一が気管支喘息に移行しています。

この際、発熱や痰は伴いませんが、喉がかれたり、乾いたりします。
咳の発作がひどくなる場合は、胸の痛みが強く感じられることで、肋骨の骨折、嘔吐、失神の恐れもあります。

また、せき喘息には、喘息に見られる「ゼーゼー、ヒューヒュー」といった喘鳴や呼吸困難はありません。
そのため、少しでも喘鳴があれば、気管支喘息や他の病気が考えられます。

せき喘息になった人の30%が喘息に移行してしまうことがあるので、喘息の症状が出る前に、正しい治療を行うことが大切です。

せき喘息の原因

せき喘息の原因 ハウスダスト

せき喘息の原因として考えられるのは、


  • 風邪
  • 室内外の温度差
  • たばこの受動喫煙
  • ハウスダスト
  • カビ
  • ペットの毛
  • 運動
  • 飲酒
  • ストレス

などが挙げられ、風邪と一緒に発症する傾向がみられます。

風邪をひいた後に、2週間から3週間も咳が続くことがあれば、せき喘息を発症した可能性が高いと思われます。

上記に挙げた原因のほか、アレルギー体質の人に発症することが多い点も報告されており、せき喘息の患者さんの数は年々増加しています。

せき喘息と喘息の違い

せき喘息と喘息の違い 気管支拡張の吸入

次に、せき喘息と喘息の違いをご紹介します。


せき喘息と異なり、喘息には以下のような特徴があります。


  • たばこを吸わないのに咳が出る
  • 小児喘息があった
  • 気管支拡張の吸入で楽になる
  • 家族に喘息の人がいる

また、咳喘息の症状の後に喘息に移行してしまうことがあるので、せき喘息を放置せず治療を行うことが大切です。

このほか、台風の接近や満腹、女性の場合は月経や妊娠なども喘息の原因となる場合があります。

喘息の場合、呼吸困難がひどくなると、横になることも苦しく、前かがみになって呼吸しなければなりません。

また、咳に続いて痰も出るようになります。
喘息で出る痰は粘り気の強く、吐き出しにくいものもあります。

慢性の咳が出るその他の疾患

喘息やせき喘息だけではなく、その他にも咳が続く疾患には、次のようなものがあります。

  • 肺がん
  • 肺結核
  • マイコプラズマ肺炎
  • 百日咳
  • 風邪
  • アトピー咳漱
  • 胃食道逆流
  • 副鼻腔気管支症候群
  • 後鼻漏
  • 薬剤性咳漱 など

咳止めなどの医薬品を使用しても改善がみられない場合は、医療機関を受診の上、適切な治療を受けましょう。

せき喘息の予防法

せき喘息の予防法 洗濯

「咳が続く原因は風邪だ」と思いこみ、風邪薬や抗生物質、咳止めなどの医薬品を使用しても、せき喘息にはほとんど効果がありません。


せき喘息を予防するためには、以下のようなことに気をつけておきましょう。

風邪やインフルエンザに注意

風邪やインフルエンザにかかると、細菌やウイルスによって気道が傷つけられ、粘膜が炎症を起こします。

その結果、わずかな刺激にも反応し、気道が収縮して、せき喘息が起こりやすくなります。

特に風邪が流行するシーズンには、外出時はマスクを装着し、できるだけ人ごみを避け、帰宅したら手洗いとうがいを徹底しましょう。

喫煙に注意

たばこの煙は気管支を刺激し、咳の原因となり、咳の回数を増やします。
たばこの副流煙は、受動喫煙でせき喘息を悪化させる原因になります。

せき喘息を発症した本人が禁煙することはもちろん、家庭や職場など、周囲の人にも禁煙や分煙を徹底してもらいましょう。

アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)に注意

せき喘息の患者さんにとって、アレルギーを引き起こす原因となるハウスダストやカビ、ペットの毛、花粉などのアレルゲンを、可能な限り排除しましょう。

定期的に布団や枕などの寝具を干し、室内をこまめに掃除することで、せき喘息を回避できます。

また、清掃中はマスクを着用することで、アレルゲンを吸い込む可能性を大きく減少させることができます。

気温の変化に注意

急激な気温の変化は、せき喘息の発作を招きます。

気温の変化の大きな春や秋は常に注意を払い、外に出る時には服装による温度調節を心掛けてください。

室内にいる場合は室外との温度差を大きくしすぎないよう注意することで、せき喘息の発症のリスクを抑えることができます。

また、室内の温度はいつも一定に保つようにしましょう。

ストレスに注意

急激な気温の変化は、せき喘息の発作を招きます。

ストレスは、気道を過敏にさせる要因となります。

ストレスの原因はなるべく避け、睡眠や休養を十分にとることが大切です。

また、適度な運動を行うことでストレスを解消できるほか、身体の抵抗力をつけることも、せき喘息の予防につながります。

せき喘息にかかってしまったら・・・

咳が長引き、せき喘息が疑われた場合、一般の風邪薬などは効果がありません。

せき喘息の治療には、気管支拡張薬の吸入、経口ステロイド薬を使用します。

咳の症状が2週間から3週間続いた際は、医療機関を受診し、適切な診断を受けましょう。

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