頭痛/内科
2019/09/16
目次
頭痛対策のため、頭痛に関する知識を深めましょう
「なんだか頭が痛い・・・」
こうした頭痛を経験したことがない方はいないのでは? というほど、頭痛はよく起きる症状です。
頭痛の症状のほとんどは、数時間から数日で治まります。
ところが、頭痛が数日も続くことや頻繁に頭痛が起きる場合、単なる頭痛ではなく他の病気である可能性が出てきます。
頭痛はよく起きる症状であるため、「たいしたことはない」と思ってしまいがちですが、頭痛の背景にはさまざまな病気が潜んでいることもあるのです。
そこで、頭痛に関する基礎的な知識や原因、症状と予防をご紹介します。
頭痛とは?
頭痛は、病気が原因ではない「一次性頭痛」と、何らかの病気が原因で起こる「二次性頭痛」の2種類に分類されます。
偏頭痛や緊張型頭痛などは、一次性頭痛に分類され、脳の血管の拡張や首回りの筋肉の緊張などが原因で起きるとされています。
一方、くも膜下出血や脳腫瘍などが原因で起こる頭痛は、二次性頭痛に分類されます。
また、医薬品の副作用で頭痛が発症することもあります。
他にも、心の問題が身体の症状としてあらわれ、その影響で頭痛が引き起こされる場合があります。
近年よく耳にする、統合失調症や適応障害などは、その代表的な症状です。
頭痛の原因
ひとくちに「頭が痛い」といっても、その程度はさまざまです。
命に関わる頭痛もあれば、そうではない頭痛もあります。
しかし、どんな頭痛であっても、日常生活に支障をきたすことに変わりありません。
ここで頭痛の種類別に、それぞれの原因と特徴をご説明します。
一次性頭痛の原因と特徴
一次性頭痛の主な症状として、偏頭痛と緊張型頭痛があります。
偏頭痛
偏頭痛は、何らかの理由で脳の血管が拡張して周囲の三叉神経を刺激し、炎症物質が発生して、この炎症物質がさらに血管を拡張することによって起こります。
偏頭痛の特徴としては、こめかみから目にかけてズキズキと脈打つような痛みがあります。
身体を動かすと痛みが強まりやすく、症状が悪化すると吐き気や嘔吐、下痢などの症状もみられ、光や音、気圧、湿度などの環境の変化でさらに悪化することもあります。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭部の横の筋肉や首、肩の筋肉が緊張することで起こります。
長時間同じ姿勢をとり続けている方や、ストレスの強い環境にある方に起こりやすい症状です。
緊張型頭痛の特徴としては、後頭部を中心に頭全体がぎゅうっと締め付けられるような痛みがあります。
偏頭痛ほどの強さではありませんが、痛みが何カ月も続くなど、慢性化する傾向がみられます。
二次性頭痛の原因と特徴
二次性頭痛は、生命に関わるような病気によって起こる頭痛です。
突然、強烈な頭痛が起きた場合はすぐに救急車を呼ぶなど、すぐに医療機関で診てもらうようにしましょう。
もしかしたら、次のような命に関わる病気が原因となっている可能性もあります。
- くも膜下出血
- 脳出血
- 脳腫瘍
- 髄膜炎
- 慢性硬膜下血腫
たとえば、くも膜下出血の80%が脳動脈瘤の破裂によって、頭痛が引き起こされます。
その痛みは、「後頭部をハンマーで殴られたような痛み」と表現されるほど強いものです。
医薬品による頭痛の原因と特徴
頭痛は、医薬品を使用したことで起きることもあります。
たとえば、狭心症の治療に用いられる医薬品などが原因として挙げられています。
また、もともと偏頭痛や緊張型頭痛などがある方に、同じような頭痛の症状があらわれます。
医薬品を何度か使用してから起きる頭痛もあります。
偏頭痛や緊張型頭痛の痛みを抑える鎮痛剤を使用しすぎて頭痛が起きた経験はないですか?
症状としては、頭痛の箇所や強度は人によって異なることが多いのですが、一般的に吐き気や集中力低下、記憶力障害などがみられます。
こうした頭痛は、「薬物乱用頭痛」と呼ばれます。
頭痛の予防
頭痛が起こりやすくなる条件は人によって異なりますが、自分がどんな条件のもとで頭痛が起きるか知ることにより、予防することができます。
偏頭痛の予防
偏頭痛が起きた時に、どんな環境や条件で頭痛が起きたか記録しておきましょう。
たとえば、その日食べたものやその時にいた場所、睡眠時間などを記録しておきます。
詳細を記しておくことで原因を特定できるでしょう。
また、生活習慣の改善によって頭痛が治まる場合があります。
寝不足、寝すぎ、疲労、長時間の空腹など身体に対するストレスによって偏頭痛を起こしやすくなるので、規則正しく睡眠・食事をとりましょう。
緊張型頭痛の予防
緊張型頭痛は主に、長時間同じ姿勢をとることで発症します。
そのため、同じ姿勢で長時間の作業などは行わないようにしましょう。
仕事中や何かの作業中でも、気づいた時には、首や肩の筋肉がほぐれるストレッチ、マッサージを行ってください。
緊張型頭痛は、血行が悪くなることが原因で発症するので、睡眠時の姿勢も重要です。
もしかしたら、今の枕が首へ負担をかけているかもしれません。
そこで、自分に合った枕を選ぶと、頭痛を予防することができるはずです。
頭痛が始まったら・・・
もしも頭痛が始まってしまったら、次のような対処を行ってみてください。
偏頭痛の場合は、こめかみなどを冷やし、血管を収縮させることが効果的です。
緊張型頭痛が起こったら、適度なストレッチなどで首や肩の筋肉をほぐしましょう。
頭痛持ちの方の7割は、頭痛を抑える医薬品を飲んでいます。
しかし、医薬品を飲んでも治らなかったり、症状がひどくなる場合は、医療機関を受診してください。
頭痛は、まずその原因を特定することが大切です。
そこで、医療機関を受診する際には、次の項目を整理しておくと、診断や治療に役立ちます。
- 発症はいつごろ始まったか
- 痛みのある箇所
- 頻度
- 痛み方
- 頭痛が楽になるのは冷やした時か、温めた時か
- 身体を動かすと悪化するか など
また、二次性頭痛が疑われるような強い頭痛や、手足のしびれ、嘔吐などを伴う頭痛を発症した場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。