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ノロウイルス/内科

秋から冬にかけて流行するノロウイルスの基礎知識と正しい予防

毎年秋から冬にかけて、主に流行するウイルスの一つが、ノロウイルスです。

ノロウイルスは感染力が強く、集団感染を引き起こします。

そんなノロウイルスの症状、感染経路、予防法、そして感染したときの対処法などをご紹介します。

ノロウイルスの症状

ノロウイルス

ノロウイルスは、乳幼児から成人、高齢者まで幅広い年齢層に感染するウイルスです。


感染から発症までの潜伏期間は24時間から48時間ほど。
発症後は発熱をともなう激しい腹痛、下痢、嘔吐などの症状がみられます。


症状は2日間から7日間、感染者の30%の人に39度以上の発熱がありますが、基本的には軽度の熱で済む場合が多いでしょう。


一方、乳幼児や高齢者、他の病気を発症している場合は重篤化するおそれがあり、ひどい脱水症状などで死に至る危険性もあります。


人によっては、ノロウイルスに感染しても激しい症状が起きずに、風邪のような軽い症状で済む方がいたり、症状があらわれないこともあります。

多くの場合、2日間から7日間経つと症状はおさまりますが、潜伏期間も含めて感染期間は長いため、周囲にうつさないよう注意が必要です。

ノロウイルスの感染経路と原因

ノロウイルスの感染経路 カキ

ノロウイルスは、感染性胃腸炎を引き起こすウイルスです。


このノロウイルスは、表面がカップ状のくぼみを持つ構造蛋白で覆われ、内部にプラス1本、鎖RNAを遺伝子として持っています。


食品中に含まれるノロウイルスを検出することは難しく、食中毒の原因究明や詳しい感染経路の特定は困難とされています。


ノロウイルスは一年の中でも、主に空気が乾燥する冬場を中心に感染しやすい傾向にあります。

ノロウイルスの感染経路は、主に経口感染です。手指や食品を介して発症します。

感染した人の糞便や吐物から人の手を介して感染する場合や、家庭や職場、学校など集団生活の場において、人同士の接触する機会が多いところで、人から人への接触感染や飛沫感染、汚染されたカキなどの二枚貝を介した感染などが、主な感染経路として挙げられます。

もちろんノロウイルスが潜んでいるのはカキだけではなく、二枚貝と呼ばれるシジミやホタテなどにもウイルスが潜んでいる場合もありますが、生で食べられるカキからの感染が非常に多いようです。

カキが美味しくなるのは、産卵前の冬の時期。
この時期には特にカキの消費量が増え、忘年会や新年会などのイベントによってノロウイルスに感染する機会が増えます。

ノロウイルスは非常に感染力が強く、食品から人へ、人から人へと感染していきます。
飛沫(ひまつ)感染の場合は、ノロウイルスを含んだ埃や小さな水滴を吸い込み体内へ侵入することで感染します。

特に近年では、食品取扱者がノロウイルスに感染し、その取扱者を介してノロウイルスに汚染された食品から感染するケースが、増加傾向にあります。

ノロウイルスの予防方法

ノロウイルスの予防方法 殺菌

ノロウイルスに対するワクチンは、まだ作られていません。


予防法としては、食品の加熱を行うこと、二枚貝などの調理に使用して調理器具をしっかりと消毒すること、そして自分自身の衛生管理が大切です。


手洗いの方法だけでなく、衛生管理に気をつけ、しっかりと予防をしましょう。

食品の加熱

ノロウイルスの原因として、カキなど食品からの感染が挙げられますが、予防のために、できるだけ食品を加熱しましょう。

一般的にウイルスは熱に弱いので、加熱処理が有効です。
ノロウイルスに感染することが多い二枚貝は、中心部が85度から90度になる加熱を90秒以上行うことが推奨されています。

調理器具の殺菌

ノロウイルスには、次亜塩素酸ナトリウムが有効で、一般的な感染症の対策で使われる消毒用エタノールなどは効きません。
次亜塩素酸ナトリウムは薄めて使用してください。

他にも、調理器具は加熱することで殺菌できます。
まな板や包丁、ふきんなどは熱湯で1分以上の加熱が有効です。

集団生活での予防

ノロウイルスが流行する時期には、職場や家庭など集団生活で感染が拡大します。
一度ノロウイルスが流行してしまうと、対策が難しくなります。
そこで、流行する前に早期の予防が重要です。

周囲の人がノロウイルスに感染する機会を減らすために、手指をしっかりと洗うことはもちろん、ドアノブ、トイレの便座、水道の蛇口など触れる機会の多い場所を定期的に消毒しましょう。

ノロウイルスに感染した人が周囲に出た場合は?

ノロウイルスに感染した場合の対処

ノロウイルスに感染した人が周囲に出た場合、その場全体を消毒する必要があります。


ノロウイルスは感染力が強く、ドアノブやカーテン、日用品からもノロウイルスが検出されます。


周囲に感染した人があらわれたら、次亜塩素酸ナトリウムなどを使用して消毒を行いましょう。

感染した人の吐物などを処理する場合には、十分な注意が必要です。

12日以上前にノロウイルスで汚染されたカーペットを通じて感染が起きた事例も報告されています。

吐物などは使い捨てのエプロンとマスク、手袋を着用してウイルスが飛び散らないように処理してください。
処理後は次亜塩素酸ナトリウムで浸すように床をふき取り、その後水拭きしましょう。

ノロウイルスに感染してしまったら・・・

ノロウイルスにはワクチンがなく、特別な治療法もありません。
一般的には寝て安静に過ごし、水分を補給することが効果的とされています。

対処としては身体の免疫がノロウイルスを排出するのを待つしかなく、その間に症状として下痢や嘔吐がみられても、吐き止めや下痢止めなどの薬は使わないようにしましょう。

乳児や高齢者、病気で体力が低下している方は脱水に注意し、あまりにも症状がひどい場合には、医療機関を受診してください。

ただし、症状が落ち着いても、ウイルスの排出自体は続いています。
そのため、不要な外出は避け、手洗いをしっかりと行ってください。

学校や高齢者の施設などでノロウイルスに感染した人が出た場合は、医療機関で診断をあおぎ、感染拡大を防ぐことが重要です。

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