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痔瘻/肛門外科

痔の中でも一番大変な痔瘻、どう治療する?

痔には「いぼ痔」「切れ痔」など様々な種類がありますが、その中でも発症すると大変なのが「痔瘻」(痔ろう)です。

よくテレビで痔瘻を発症していることを告白している方がいますが、皆さん痔瘻の対処に苦労されているようです。

ここでは、痔瘻とはどんな状態なのか、どう治療すれば良いのかをご説明します。

痔瘻とは?

長町の肛門外科が痔瘻について説明

「痔瘻(じろう)」とは肛門陰窩(こうもんいんか)から細菌が入り込むことで肛門腺が化膿し、炎症が周辺に広がることで生じた膿が排泄され、瘻管が残る状態です。


大腸と皮膚が肛門以外の出口を作り、放置しておくと大腸がんに発展する可能性もあれば、痔瘻が何個も出来る「複雑痔瘻」になることもあります。

痔瘻の症状

痔瘻の症状としては、肛門周辺の痛みと発熱が挙げられます。

痛みの度合いは個人差がありますが、椅子に座れなくなるほどの痛みが出る人もいます。

また、常に膿が出るようになります。

痔瘻の原因

長町の肛門外科が痔瘻の原因を説明

痔瘻の原因としてまず考えられるのが、下痢です。


下痢によって、肛門の組織に大腸菌など様々な細菌が入り込みます。


通常の便の場合、細菌は入りにくいのですが、下痢の場合は排便が液体になるので、菌も入り込みやすくなります。


そして菌が入り込んだ際、ストレスやアルコールの摂取によって免疫力が低下していると、感染してしまいます。


化膿を起こすことで肛門周囲潰瘍となり、症状が進行すると、肛門以外の排出口を作ってしまうのです。

痔瘻の予防法

痔瘻の予防法としては、以下のものが挙げられます。

下痢を予防する

痔瘻は下痢によって、本来は菌が入らない部分に菌が運ばれてしまう病気です。
そのため、下痢にならなければ痔瘻にかかるリスクも軽減できます。

冷たいものを控えたり、水分補給の頻度を減らす、食べ過ぎに注意するなど下痢を、未然に防ぐ行動を心掛けましょう。

免疫力を下げない

痔瘻は下痢によって菌が運ばれるだけではなく、運ばれた際に免疫力が低下していることで起きる症状です。

そのため、免疫力を下げないように心掛けることも大切です。

過度なアルコールの摂取を控え、ストレスを適切に発散することで免疫力の低下を防ぎ、痔瘻の予防につながります。

痔瘻の治療法

長町の肛門外科が痔瘻の治療法を解説

痔瘻の治療法として最も適切なのは、早期に医療機関を受診することです。


痔瘻の場合、保存的治療・薬物治療での治療は難しく、症状が改善されても再発するリスクが高いものです。


そのため、根治させるには医療機関での手術が必要になります。


また、稀にではありますが潰瘍性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患の症状として痔瘻が生じている場合もあるので、医療機関で治療しなければいけません。

どんな症状が見られたら医療機関を受診すればいい?

痔瘻は珍しい病気なので、症状を自覚が難しいとされています。

そこで、どのような兆候が現れたら病院に足を運ぶとよいのか、以下にまとめました。

下着に膿がついている

下着の肛門と接触している部分以外に膿がある場合には、痔瘻の可能性が考えられます。

痛みや発熱は痔瘻以外にもみられる兆候ですが、肛門以外の膿に関しては痔瘻の可能性が高いです。

座ることが苦痛になっている

何かに座る際に苦痛を伴う場合も、痔瘻の可能性があります。

ただし、痔瘻だけではなく、いぼ痔、切れ痔の場合もあります。
座ることが苦痛で、かつどのような痛み・症状がみられるかで判断するとよいでしょう。

発熱がない場合には痔瘻の可能性は低いですが、体がだるかったり、着座した後に下着に膿が見られる場合には痔瘻の可能性が高いです。

痔瘻の手術はどんなもの?

長町の肛門外科が痔瘻の手術内容を紹介

痔瘻を治療するためには手術が必要ですが、手術も痔瘻の状態に応じて、いくつかの種類があります。

瘻管開放術

単純な痔瘻の場合は、「痩管開放術」という術式を用います。

軽度な痔瘻であれば日帰り手術も可能です。

再発リスクが低い手法ではありますが、痔管の位置・深さによっては括約筋が傷ついてしまうケースや、肛門の締まりが悪くなってしまうこともあります。

しかし、肛門後方部の場合、括約筋を切除しても肛門の機能に悪影響が及ぶリスクは低くなります。

肛門括約節温存瘻管繰り抜き術

瘻管開放術は括約筋を切除するものですが、肛門括約節温存瘻管繰り抜き術は括約筋の損失を抑えるためのもので、瘻管をくりぬくことになります。

膿の出入り口部分だけを切除することで、術後の肛門機能障害も少なくてすみます。

この肛門括約節温存瘻管繰り抜き術は、瘻管が深い位置にある場合に効果的な治療ですが、瘻管が浅い位置にあるとしても効果が期待できます。

ただし、手術が成功したとしても便の通り道である以上、自然と傷口が開いてしまう可能性もあります。

こちらは大がかりな手術になるので、入院が必要です。

シートン法

瘻管の入り口からゴム糸を通し、徐々に瘻管を切開・解放する手術です。
肛門の変形など、肛門に対して優しい治療で通院での治療も可能です。

ただし、通院の場合にはゴム糸を締め直しや入れ替えなど、長期的な通院が必要になります。

開放くり抜き術

皮膚肛門上皮切除下と肛門括約筋温存手術を合わせたものです。

括約筋を切らずに瘻管だけをくりぬく点では、くりぬき術と同じです。
しかし、この痔瘻の入り口である原発口を肛門上皮と共に切除し、傷を縫わずに放置しておくことで瘻管をくりぬいた跡に隙間ができます。
その隙間を縫って閉じる治療です。

肛門の締まりもよく、術後も短期間での退院が可能です。

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